この時計を企画していた頃は「まだ」自殺やいじめがそんなに問題となってはいなかった。しかし、世の中には、考えられない事件が多発し、世界では9.11テロ、イラク戦争など殺伐とした状況である。日本は高年齢化し、年金問題は崩壊を目の前に見ている。これからの世界はどうなっていくのか?そんな不安があっても不思議ではないし、誰もが深く、「生きる」ことに対して、よく考えなくてはいけない時代が来たのである。
2007年を迎えるにあたって、2006年の最後のモデルは「EVE」コレクションから"ラヴ・マシーン"を発売する。
今までのストーリー性とは違い、社会的なストーリーをもたせて、あえてクリスマスシーズンに「愛」とは何かを謳歌しようということである。
人生80年として、それは「29200日」に値する。GSXの「EVE」「LOVE」のコレクションは常に「時間」という観念を「思い出」や「距離」などに対比させてストーリーを創っていて、それをもって時計の企画を行っている。"ラヴ・マシーン"ではまさに、人生の残数を強制的に創られた未来という設定をもって、現代の自ら死を選ぶことへのおろかさを意図している。
それは、また、今、人生において、恋人がいて、クリスマスを楽しく過ごすことができる人にも、これからの人生を謳歌してほしいという思いをこめたモデルであもある。クリスマスがきたとき、相手の顔を見て、「もし、あと7日間しか生きられないとしたら」と考えてみたらいかがだろうか?なにができるだろうか?何をしたいのだろうか?結局のところ、このモデルのテーマは「愛」というものが最も大切なものなのだということ。そして、"ラヴ・マシーン"と名づけたのは、そういう気持ちをいつも胸に抱きながら、是非、いつまでもチャンスがあるとは思わず、この物語のように、今、伝えなくてはいけないのだということを明確にメッセージとしたいと思ったからである。
「EVEコレクション」はGSX創立当初から続いているコレクションで、「LOVEコレクション」「BTSコレクション」と並んで評価の高いコレクション。「EVE」に関しては基本的にウィンタープレミアムの位置づけで、クリスマス時期から2月までにかけて期間限定で発売される。生産本数限定であるが、完売しなくても購入は2月までとなっている特別なコレクションである。
2006年モデルは3年ぶりのシャンパーニュ・ゴールドでケースが造形され、文字盤はコレクションはじめての「スケルトン」デザインとなっている。ハートを花びらに見立てたデザインは「木村正幸」によるもの。ムーブメントとの美しいシンクロが印象的なモデルとなっている。シャンパーニュ・ゴールドは非常に難しい仕様で、同じ色をつくりつづけることは不可能であるため、一本一本が微妙に色が違う。そのため、生産上でどうしても不良が多く発生しコストを圧迫するため、毎年の企画としては非常に私たちを泣かせるモデルである。今回も100本が限界であるため、100本までの限定生産というかたちをとって生産体制にはいっている。その結果、今年は903での発売は間に合わないため、デザイン段階から904だけでの企画となった。
12月上旬から皆様に"ラヴ・マシーン"はお届けできる。そして、是非、大切な人と「これからの人生」を謳歌してほしい。そこにどんな未来が待っていたとしても。
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