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ロックフェラーのクリスマスツリーの前で君は僕の腕の中で泣いた。
そして、君は僕の前から姿を消した。
「ごめんね。なんか予定より早くなっちゃった」という手紙。

5年前、僕らはニューヨーク五番街で偶然であった。
三回も偶然であった。
君とあの時、逢えなかったら、僕たちは見知らぬ他人のままだったね。
偶然がこんなに続くならと、僕は提案をしたんだ。
「僕はボブ。一緒に歩かない?そうすれば偶然もへるだろう?」

僕たちは趣味も生活環境もまったく違った。
君は大企業の令嬢で、僕は不良グループのリーダー。
君のお父さんの目を盗んで電話をして、夜遊びして。
僕も君に触れて、少しずつ、変わっていった。

僕のジャケットの背中を君は大変珍しそうに見てたね。
僕のグループの「ALL OF BLACKS」のスカルのマーク。

君がイライラし始めたのは、夏ごろからだった。
「選ばなくては失うもの」君はそういって僕から離れていった。
いつか君の事もなんにも感じなくなっていくのだろうと思っていた。
ロックフェラーのクリスマスツリーの前で、君を見つけるまでは。

寒い青い空。目を閉じれば、二人が密会した冬枯れの
リバーサイドホテルには雪が降っている。
心も 体も この指先の感覚さえも 君を忘れさせない。
君からの手紙だけを頼りに、僕は君を探しにいく。
僕は君を誰にも渡さない。





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