“たそがれの降りた交差点”
ONCE UPON A TIME・・・
時間が止まっていた いつもの街角 このスクランブル交差点で
18歳の君と30過ぎの僕は であった 美紗子 それが君
2002年12月 別れてから9年がたった日のことだ 君を見かけた 黄昏の降りた交差点
そういえば 思い出した 君がいる場所は いつも 甘い光で満たされていたことを
それから僕は 時間があれば こうしてこのスクランブルへ
理由もなく 君を探している始末だ
もう48だというのに 年甲斐もないと自分でも笑ってしまう
映画が好きで ヘップバーンに憧れていた君は お気に入りの
「サブリナ」を見ながら 「ボギーみたいなおじ様になって」と
よく僕を からかった
クリスマスにはヘップバーンのお気に入りのジバンシーのコートの
襟をたてて はしゃいでいた
しかし 年の差は 素直になる距離をも 遠くした
僕の 記憶は24の君で止まっている 誰もが 想い出は 美しく そっと そこにいる
明るくて 化粧が苦手な お転婆な 君のままで 時計は針を動かさない
「あっ、美紗子」
2003年9月9日、ヌーン 彼女をスクランブルの向こうに見つけた
見違えるように 綺麗に 洒落た レディに 僕は 手を振る
「僕は 君が 好きだ」 ・・・と叫んだ
用意していた長い台詞は すべて消去されていた
年甲斐も無く そんな言葉に 照れてしまった
彼女の顔は 笑顔に なった
「去年のクリスマス以来だね」
33歳の美紗子は僕にそういって 微笑みかけた
何故か すれ違う いつか 悲しみに ふれあって きっと 気づくのに
だから もとめあう そして めぐりあう 想い出の 針は 動きだす
みつめあうだけで 心が震えた あの日から そっと 動きだす
それは 忘れかけていた 恋のはじまり |