EVE2002
Mr.Snow & Mrs.Snow
Remember 1987
出逢いはスローモーションのようにゆっくりだった
クリスマスの飾りに彩られ
表参道には たくさんのネオンが降っていた
僕たちはそんな都会の交差点でめぐりあった
東京に12月のはじめだというのに雪が降った
寒い日だった
そんな彼女に僕は “Miss.Snow” と名前をつけた
Just 2002 December
そんな僕たちがまた 同じ場所でめぐりあう
黒い髪は 栗色に変わったけど 腰までの長い髪は健全だ
彼女に気づかれないように 離れたところから
彼女を目で追う なんか 後ろめたい気になってくる
歩道の向こうから 彼女は 出会った交差点へ
そして 青
首を少し左に倒した彼女の姿勢は 昔と変わらない
僕は 指輪を ポケットに そして 彼女のほうへ
あと 15歩 10歩 5歩 すれ違う、、、
Back To 1987
そうだ あの日は ここで 彼女とぶつかった
仕事のアポイントメントに急いでいた僕と
ネオンを見上げて歩いていた 彼女と
「大丈夫?」その一言から
彼女は "美沙子" になった
それから次の冬も その次の冬も 一緒にすごした
この星でいちばんの君に 僕はマフラーをプレゼントした
そんな君からのプレゼントも マフラーだった
「いつまでも 傍にいてね」「・・・」彼女の答えに
僕は 少し戸惑った
それは 本当にただ照れてしまっただけなんだ
その冬 僕たちは わかれた
あの日と変わらない 彼女の香水の香り
彼女のくせ ファッションの好みまで
ただひとつ 変わったもの それは彼女の左手の指輪
彼女の名前? 僕にとっては “Mrs.Snow”
声をかけなければ それでおわり
離れていく 5歩 10歩 15歩 そして人ごみへ
こうして15年ぶりの 僕のささやかな 不倫は
スローモーションのように 時間軸がずれて
信号の点滅とともに終わった
2002 in TOKYO.
12月に15年ぶりの雪が東京に降った
僕はそうして “Mr.Snow” になった
きっと 君にも 銀の雪が降る |